7年半前に死んだ弟に、俺は毎年誕生日プレゼントを買っている。

今年はいつも買っているMTGのカードではなく、何となくMTGに出てきそうな天使の模型を買った。

4万くらい吹っ飛んだが特に後悔は無い。

いつもは仏壇に飾っているんだが、件の天使はかなり大きくて嵩張るので、今でも残っている弟の部屋に飾った。

部屋に入ると天使がいきなり見えるので存在感は抜群だ。
良い買い物をしたと思った。



その日夢を見た。
それは、弟が遂に亡くなったという報告を受けて家族と会話する内容だった。

その中で俺は母親に、「すぐに死んでしまうと言われてたのに、7年半も生きていられて幸運だったよな。」と言っていた。
夢なんて起きたらすぐ忘れてしまうものが多いのに、それは今でも鮮明に覚えている。


現実では、弟は誰にも看取られること無く死んでいった。
だが、夢では俺を除く家族に看取られていったようだった。

母親が特に弟の死に立ち会えなかったのが心残りだったようなので、それが本当に良かったな、と思った。


しかし、夢から覚めた時、7年半も生きていたと言った自分の発言と現実の差異にかなり混乱して、記憶を整理した。

涙が止まらなかった。

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